植物の最終分解物
「フミン酸」、「フルボ酸」、ともに聞きなれない物質ですが、自然の中では毎日のように森で作られています。
落ち葉や枝が地面に落ちると、こうしたものに含まれるさまざまな成分が菌(微生物)たちの養分となりますが、この養分の種類によって、これらをエサとする菌の種類も変わってきます。
養分をエサとして菌が食べることを「分解」あるいは「代謝」と言い、分解されて変化した物質を「分解物(分解産物)」もしくは「代謝物(代謝産物)」と言います。
そしてこの代謝物は、アミノ酸やビタミン、天然の抗生物質など、生命に有用なさまざまな物質になるのです。
フミン酸とフルボ酸は、こうした過程の中で植物遺体(落ち葉、枝、倒木、根、草など)を菌たちが分解し尽くして、最後に残った代謝物(最終分解物)なのです。
リグニンがさまざまな分解&代謝産物と複合的に反応して変化
わかりやすく堆肥作りで説明します。
落ち葉や刈った草を大地に積んでおくと、第一段階としてエネルギーの高いタンパク質や糖などを菌が食べ、分解が始まります。この時に活躍する菌(糸状菌など)の多くは好気性で、酸素を使って盛んに分解を行うため、呼吸による熱(発酵熱)が発生します。夏場に仕込んだ堆肥に手を突っ込むと、かなりのスピードで熱くなっていきます。
次に、第二段階ではさらに、植物の細胞壁の成分であるペクチンの分解が始まります。第一段階で活躍した好気性菌は50~60℃になると生息しにくくなるため、代わって高温でも活躍ができる高温性好気性の放線菌が増殖します。この放線菌が糸状菌では分解できなかった難分解性の繊維質であるヘミロースやセルロースを分解します。この段階が終わりに近づくと発酵熱はゆっくりと下がっていきます。
最終段階では、最後まで残った最も硬く分解されにくい木質素のリグニンの分解が始まります。
リグニンの分解物が第一段階でのタンパク質や糖、第二段階の繊維質の分解産物と、微生物の代謝産物と反応するとフミン酸やフルボ酸といった腐植物質が生成されます。 こうして良質な完熟堆肥ができあがるのです。
完熟に近づく過程では色にも変化が現れ、全体が茶褐色になります。この色の変化こそがリグニンからフミン酸やフルボ酸に変化したサインです。
石炭紀以前はフミン酸もフルボ酸も存在しなかった
リグニンは超難分解性の成分で、植物が大地に立つために繊維と繊維をつなぎとめる接着剤成分として働く重要な物質です。(繊維を鉄筋にリグニンをコンクリートに例える場合もあります)
このリグニンを分解する菌を総称してリグニン分解菌といいますが、その代表的が白色腐朽菌です。白色腐朽菌は「きのこ※」の仲間で、皆さんに馴染みのあるシイタケやナメコなども同じ分類に属しています。
※「きのこ」とは子実体と呼ばれる胞子を作って飛ばすための器官で、本体である菌子体が集まって肉眼で見えるようになったもの
リグニン分解菌は大森林時代の石炭紀(約3億年前まで)までは地球上に存在しませんでした。従って、それ以前にはフミン酸もフルボ酸も存在せず、きのこも生息していなかったことになります。こうした理由から、この時代に生成された石炭にはフミン酸もフルボ酸も含まれていないのです。
裏を返せば、リグニン分解菌がいなかったからこそ、石炭ができたともいえます。
石炭紀には見られなかったフミン酸やフルボ酸が登場するのはその次の時代、ペルム紀以降となります。
フミン酸とフルボ酸とヒューミンの違い
ここまで「フミン酸・フルボ酸とは」と話をすすめてきましたが、植物の最終分解物には、実はもう一つ「ヒューミン」という仲間がいます。
腐植物質三兄弟
フミン酸(Humic acid)・フルボ酸(Fulvic acid)・ヒューミン(Humin)を合わせて腐植物質(Humic substances)と呼び、自然界では下図のように分類されます。
複雑そうに見えますが、腐植物質のフミン酸、フルボ酸、ヒューミンは、これまで説明したきましたように、リグニンの分解物と糖やタンパク質の分解産物や微生物の代謝産物とが反応してできた植物の最終分解物です。
この3つの腐植物質は、pH(ピーエイチ)にどのように反応するかで分けられます。
腐植物質の代表ともいえるフミン酸(腐植酸ともいう)はpHがアルカリ性側では水に溶け、酸性に傾くと沈殿してしまい(酸性側の)水には溶けない性質を持ちます。
これに対しフルボ酸はアルカリ性側と酸性側、双方の水に溶け、そしてアルカリ性側、酸性側、どちらの水にも溶けない性質を持つのが、ヒューミンです。
このpHへの反応を使ってフミン酸やフルボ酸が抽出されてきましたが、詳細は抽出原料のところで後述します。
化学的構造/化学式・特徴
フミン酸、フルボ酸の科学的構造や化学式の特徴について説明します。
フミン酸もフルボ酸も構造が決まっていない
出発を同じとする3つの腐植物質には共通する性質もありますが、それぞれ異なった物性もあります。
まず共通するのは、これらが固有の分子構造が特定されていないということです。
例えばアミノ酸や脂肪酸など、他の有機酸は構造がきちんと決まっていますが、構造が特定されていないフミン酸やフルボ酸は、決まった分子式を書くことが出来ません。
明らかになってきたフミン酸の特性
一般に、フミン酸の分子量は10,000~100,000、フルボ酸の分子量は1,000~10,000、ヒューミンの分子量は100,000~10,000,000とされ、分子量が大きいほど高分子になります。
これまでフミン酸はフルボ酸より高分子といわれてきましたが、近年の研究で特徴的な構造を持つことがわかってきました。
超分子構造
フミン酸は分子量だけで見ると確かに高分子に見えますが、実はフルボ酸と同様に比較的小さな物質群同士が緩い結合によって大きな形を作っていることが明らかになりました。
化学結合にはいくつかの種類が存在しますが、フミン酸に関しては水素結合といった比較的弱い結合でつながって(ポリマー化)いることで、物質群が離れたり、くっついたりする「超分子構造※」を形成していると判明しました。このため、高分子でありながらもフルボ酸のように小さな分子群としての機能も兼ね備えているといえるのです。
最も分子量の大きなヒューミンもまた、分子の集合体であろうと思われますが、解明できていないことも多いため、再びフミン酸とフルボ酸の話しに戻します。
※複数の分子が比較的弱い結合(非共有結合)によって会合し、独自の構造や機能を形成する分子の集合体
多くの優れた機能・効果・作用
フミン酸も、フルボ酸も、世界中から多くのエビデンスが発表されています。
それらは、医学から農業、畜産、水産、食品、化学など多くの分野で、またその作用や機能はさらに多岐にわたります。
共通する掴む力(キレート力)
まずフミン酸とフルボ酸に共通している機能はキレート力です。
キレートとは簡単にいうと掴む力です。その力でミネラルや酸素やその他の栄養素を掴んで運んでくれます。化学的には掴んだ状態を錯体化と呼びます。
また、金属類は金属イオンのままでは毒性を持つものが多く、錯体化することによって毒性が軽減されます。
さらに、金属類が結晶化すると沈殿して動植物が吸収できない状態になってしまいますが、錯体化することによって、沈殿することもなく安全に効率よく吸収できる状態になるのです。
フミン酸もフルボ酸も、カルボキシ基(COOH)をはじめ、フェノール性水酸基(OH)、カルボニル基(C=O)、アミノ基(NH2)など、多くの官能基を持っています。
その中でもキレート力に関わるのがフェノール性水酸基とカルボキシ基です。
上の模式図では2つのフェノール性水酸基が鉄(Fe)を、2つのカルボキシ基が亜鉛(Zn)、そしてカルボキシ基とフェノール性水酸基がマグネシウム(Mg)を掴んだ形になっています。
この仕組みは、フェノール性水酸基とカルボキシ基に結合する水素(H)が非常に弱くつながっているため、この2つのHが離れて鉄(Fe)や亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)を掴んでキレート化されるのです。
ちなみにキレートの語源はギリシャ語の「蟹の爪」に由来します。
掴んで入れないフミン酸、掴んで入れるフルボ酸
キレートに関していえば、フミン酸とフルボ酸とでは、機能に大きな違いが生じます。
そのひとつに、フミン酸は一度掴んだ(キレートした)重金属などの有害物質を体内に吸収させることはありません。植物であれば根から、人の場合は腸管から、有害物質が吸収されるのを抑えてくれるのです。
これに対し体のフルボ酸は、ミネラルなど栄養素の吸収を促進させる働きを持ちます。
こうしたキレート力(掴む力)は、大自然の循環の中でも大きな役割を担っています。
現在のところ、フミン酸・フルボ酸は植物の最終分解物であり、これらを食べる(分解する)菌は存在していません。このことはつまり、分解されることなく安定した状態を長く保っていられる物質といえます。
例えば、健全な土壌の中における平均滞留時間は、フミン酸が1,235年、フルボ酸では870年※といわれています。
※ORGANIC MATTER, HUMUS, HUMATE, HUMIC ACID, FULVIC ACID AND HUMIN:THEIR IMPORTANCE IN SOIL FERTILITY AND PLANT HEALTH. Dr. Robert E. Pettit Emeritus Associate Professor Texas A&M University
このように、フミン酸・フルボ酸は優れたキレート力によって地上の動植物たちに栄養を供給するだけではなく、水生生物たちが必要とするミネラルなどの栄養素を掴んだまま、地下水から川、そして海へと運び、あらゆる生命の営みの豊かさをサポートしてくれる大切な循環物質なのです。
海を育てる
日本は古くから森林を守ろうとする文化が根付いています。神社を囲むように存在する「鎮守の森」もそのひとつです。
森の動植物によって育まれた栄養が、河川を通じて海へと流れ、豊な漁場をつくる。したがって森林の荒廃によって漁獲量が左右されてしまう、かつて漁師たちは森の豊かさが海の豊かさにつながることを知っていたため、山の手入れにも力を注いできました。
開発などで森林伐採が進む現代において、海を守る森づくりを実践する活動が各地で広がり始めています。
こうした活動に一役買っているのが、フミン酸・フルボ酸なのです。
ここまでフミン酸とフルボ酸に共通するキレート効果(掴む力)についてお話ししてきましたが、ここからは動植物の生命活動に対するフミン酸とフルボ酸の作用に絞って、それぞれ代表的なものをお話しします。
菌の活性化に働くフミン酸
私たちの体は菌との共生なくして健全な生命活動を営むことができません。
植物も同様に根の周りの菌たち(根圏微生物)との共同作業で栄養を吸収したり、免疫力を強化したりして、病気に打ち勝って健全な生長を行っています。
また、「人の免疫力は腸にあり」ともいわれますが、腸内細菌叢のバランスや量が重要であるということは常識になりつつあります。
皮膚も同様で、皮膚にいる常在菌が健全であれば、皮膚を護るバリアが形成され、健康で美しい肌が保たれます。
こうした菌たちを活性化してくれるのが、フミン酸なのです。
論文“Impact of humic acids on the colonic microbiome in healthy volunteers”では、
「フミン酸は大腸の微生物叢に大きな影響を与えるが、大腸の発酵に影響を及ぼす、炎症を起こした大腸や肥満、リウマチ、神経疾患などの特異的な薬を開発するうえで、興味深い物質群である可能性がある」
としているように、フミン酸が腸内細菌叢を活性化し、その結果として腸の炎症を抑え、肥満を解消する可能性を示唆しています。
植物も同じく、有益な微生物が土壌中の根の近くにいると、それらが植物にメッセージを送って、抵抗性誘導という免疫のような反応を引き起こすことがわかっています。
こうした根圏微生物叢のバランス活性にフミン酸が働きます。
このように、植物でも人でも免疫力をアップさせるカギは微生物が握っています。
植物では根圏微生物、人では腸内細菌、これらを活性化させるフミン酸の作用は、生命本来の力を引き出す上でとても重要だということがわかります。
根の生長を促進するフミン酸 「腸と腸内細菌」=「根と根圏微生物」
「腸と腸内細菌」の関係と「根と根圏微生物」の関係は類似する点が多く、相関しています。
さらには「腸の絨毛」と「根の根毛」の働きもそっくりです。
例えば、根毛は一本の根から数百万本生え、それにより表面積が増えて、植物と土壌微生物の相互作用が大幅に活性化されますが、化学肥料だけで育てた植物の根には根毛がほとんど発達しません。
根毛が発達しないということは植物本来の働きが発揮できず、免疫力が低下しまうため、さらに農薬に頼らざるを得なくなってしまうという、負の連鎖が起こります。
根圏におけるフミン酸の存在は、根と微生物との相互作用を活性化し、根毛の発達につながります。
ここで、フミン酸処理によって植物の根毛の発達が促進された事例を見てみましょう。
まず、腐植物質のHSはHumic substancesの略です。
そのうち、この試験で使用した腐植物質はHA(Humic Acid)すなわちフミン酸です。
またオーキシンは、植物で最初に発見されたホルモンで、植物全体を形作る最も重要な形態成化合物の一つです。
この論文では、フミン酸処理によってオーキシンの発現が誘導され、根毛の長さ、密度、根の基底組織にある細胞の増殖が活発になるとし、さらには、葉に蓄積された窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムといった栄養素の吸収量がコントロール(対照区)に比べ、それぞれ52%、71% 、50%、58%、59%増したと報告しています。
つまり、フミン酸の刺激により、成長ホルモンが誘導され、根毛が発達して栄養の吸収も大幅に増えたということです。
もちろんフミン酸が根圏微生物叢を活性化して、活性に伴う微生物たちの代謝物がプラスに働いたことはいうまでもありません。
ここまで、フミン酸の特長的な作用として、微生物の活性やホルモン誘導について解説してきました。
フミン酸は酵素の活性や、逆に活性されると困る酵素(老化促進など)の活性を阻害するなど、動植物の生理に幅広く作用します。
ただしその作用は、安全な状態でフミン酸が水溶化されていることが大前提となります。
フルボ酸の慢性炎症性疾患への作用
フルボ酸の作用は、次の論文を紐解くことが分かりやすいので要約してご紹介します。
上記は冒頭文の一部です。
本論では、フルボ酸の栄養吸収、抗酸化、免疫調整、抗炎症といった作用などが確認されている一方、いくつかの研究によると、炎症の促進や有害とみられる免疫反応も確認されているとしています。こうした矛盾する各報告は、その投与量、フルボ酸の由来、および分離方法の違いに起因するのではないかと考えられる、としています。
ここでいう、由来とは、シラジットや亜炭(ヒューミックシェル)や泥炭(草炭)などの原料を指し、分離方法とは、抽出方法、分離(分画)手順、精製法などを指します。
つまり、原料の由来の安全性が第一に問われ、有害とみられれる反応は、抽出、分離、精製における化学物質の残存や化学反応によるフルボ酸(フミン酸も同様)の構造とその性質(作用)が原因となっている可能性が大きいと述べているのです。
毒性について
フミン酸・フルボ酸自体の毒性の報告はありませんが、前項の論文で示されたように抽出や精製するプロセス、あるいは、原料の質や性質によっては健康を害するものがあるのも事実です。
原料の留意点
まず原料では、亜炭(ヒューミックシェル)や泥炭など地中で鉱物化したものを原料にした場合、放射性物質を含む重金属が含有するかも知れないという心配があります。
少なくともセシウム、ウラン、ストロンチウム、トリウムなどの放射性物質が含まれるかどうかの確認をしなくてはなりません。
分析値の確認ができない場合には、「復帰突然変異試験」を実施し、その結果を確認してください。
放射性物質から出る放射線は遺伝子を傷付けますが、この試験は遺伝子を傷付けてしまう発ガン物質であるかをスクリーニングするための毒性試験なのです。
分析と安全性
フミン酸やフルボ酸は、強アルカリ性物質(例:5%濃度で劇物指定となる「水酸化ナトリウム(NaOH)」)と強酸性物質(例:10%濃度で劇物指定となる「塩酸(HCl)」)を使い、抽出、中和、分画、精製というプロセスを経るのが標準的です。
こうした化学抽出でも、きちんと中和し、その中和反応で生成される塩基が安全なものであれば、フミン酸もフルボ酸も安全となります。
抽出、精製プロセスでの留意点
農業用のフミン酸・フルボ酸の中には、水酸化ナトリウム(NaOH)よりもアルカリ度の高い水酸化カリウム(KOH)で抽出し、中和せずにそのままの状態で商品化されているものがいくつも存在します。フミン酸もフルボ酸もアルカリ物質には溶ける(抽出できる)ことから選んだ抽出方法なのでしょうが、とても危険です。pHは13以上もあり原液が目に入れば失明してしまう可能性があります。植物に原液を散布すればすぐに枯れてしまい、何千倍に希釈してpHを下げれば危険度は減りますが、安全とはいえません。
また、鉱物化した亜炭(ヒューミックシェル)や泥炭などの場合には、前処理として硫酸(H₂SO₄)や硝酸(HNO₃)などの強い酸性物質で溶かさなければ絶対に抽出ができません。農業用では、硝酸で前処理しニトロ化させたニトロフミン酸が広く使われていますが、やはり人には使えません。しかし、亜炭(ヒューミックシェル)から「水だけで抽出」と表現しているフルボ酸のサプリメントが存在しているのです。
この他、泥炭(草炭)を原料にしたフルボ酸もありますが、泥炭ができる過程で分解されない、難分解性の繊維質にフミン酸とフルボ酸が絡まってしまうため、水だけでは絶対に抽出できません。従って、化学抽出が必要になりますが、「水だけで抽出」しているとするフルボ酸もあり、どのようなプロセスを経ているのか気になります。
なお、「水だけで抽出」に関していえば、原料を亜炭や泥炭とする場合、その特性からして前出の通り、前処理が必要となってくるわけで間違いなく強い酸性物質がどこかのプロセスで使用されているはずなのです。
さて、フミン酸もフルボ酸も「酸」とついていますが、そもそも純粋なフミン酸やフルボ酸には酸味がありません。また、菌の活性効果はありますが、殺菌効果はないのです。もし、酸味や殺菌効果があるのであれば、抽出や精製プロセスで使用した硫酸や塩酸など強い酸性物質による酸味であり、これらの酸が持つ殺菌効果が現れているということになります。
こういった中和のプロセスを経ていない、危険性のあるフミン酸・フルボ酸は農業や畜産用のものが大半です。しかし、中には健康食品として飲用に使われているものもあるため、こうした商品を利用する際は安全性について、例えばどのような安全性試験を行っているかなど確認してみることをおすすめします。
そして、たとえ農業用であったとしても、あらゆるものが循環することを考えると、安全なフミン酸・フルボ酸を使用することが望まれます。
まとめ
フミン酸・フルボ酸は、毎日のように森で作られている植物の最終分解物の有機酸です。
純粋なフミン酸フルボ酸は酸味も刺激もありません。
フミン酸・フルボ酸に共通するキレート力は動植物や微生物たちの栄養吸収促進に働き、フミン酸は生体に害を及ぼすものを体内に入れない作用もあります。
また、フミン酸には有用菌の活性作用が確認され、発酵促進剤から、フローラ(細菌叢)の改善、根圏微生物の活性、さらには植物ホルモンの誘導による根の生長促進など、活用範囲が広がっています。
フルボ酸には抗酸化作用、抗炎症作用などが確認され、フミン酸もフルボ酸も、天然物の多機能な医薬品素材として、研究者たちが期待する物質です。
こうした多岐にわたる有用な働きが文献等で発表(報告)されている一方、人体にとって有害と思われる原料や、抽出・精製方法によって作られているものが存在するのも事実です。
このため、人や動物に使用する際は飲用するにしても、肌に直接塗布するにしても、安全性について確認してみることが大切です。