- Shilajit attenuates behavioral symptoms of chronic fatigue syndrome by modulating the hypothalamic–pituitary–adrenal axis and mitochondrial bioenergetics in rats(シラジットはラットにおける視床下部-下垂体-副腎軸とミトコンドリア生体エネルギーの調節により慢性疲労症候群の行動症状を減弱させる)
- Effect of humic substances on mitochondrial respiration and oxidative phosphorylation(腐植物質がミトコンドリア呼吸および酸化的リン酸化に及ぼす影響)
フルボ酸とミネラルの関係
植物の最終分解物(微生物による分解ができない)である腐植物質は、性質や機能の違いによってフルボ酸、フミン酸、ヒューミンの3つに分類されます。
このうちフルボ酸とフミン酸は、その構造の中に「官能基」と呼ばれる手を数多く持っていますが、その中でも特に酸性の性質を示す「カルボキシ基(-COOH)」と「フェノール性水酸基(-OH)」がフルボ酸とフミン酸の機能を大きく左右しています。
フルボ酸の最も代表的な機能として「キレート」がありますが、これにはこれらカルボキシ基とフェノール性水酸基が関わっています。
この2つの官能基に共通する「水素(H)」は非常に弱いつながりのため切り離されやすく、水素が2つ以上外れた部分にイオン化(電子を帯びた状態)した鉄(Fe2+)や亜鉛(Zn2+)、マンガン(Mg2+)といったミネラルが引き寄せられて結合したものをフルボ酸ミネラルと呼んでいます。
ちなみにキレートとはギリシャ語で「カニのハサミ」を意味し、フミン酸にも同じ機能が備わっています。
そもそもミネラルとは。身近ではあるものの、何となくしかわからないと思う人も多いことでしょう。
ミネラルは「鉱物」を表しますが、酸素、水素、窒素を除いた元素を指します。
その中でも体の組織構成や生理機能の維持調節に欠かせない栄養素が16種類あり、これらは体の中で作ることが出来ないため、食事などで口から摂取するしかないのです。
こうして摂取したミネラルであっても、鉄やカルシウム、亜鉛など、そのままでは吸収されにくいものも多く、体のなかで上手く利用することが出来ません。
そこでおすすめなのがミネラルをキレートして吸収率をアップさせるフルボ酸(フミン酸も含む)のサプリメントです。
フルボ酸(フミン酸)にはキレートの他にも体に嬉しい多くの機能を秘めていますので、ここではその可能性についてもご紹介します。
なお、フミン酸が持つキレート作用には、有害な重金属や放射性物質など、体に害をもたらす可能性のある物質を掴んで排出する力(デトックス作用)も同時に持ち合わせています。
スッキリ!目覚めが良くなり起床後に体が軽いという意見
ぐっすりと眠れた翌朝は目覚めがスッキリし、体も軽く感じられます。
そう、質の良い睡眠には心身を回復させる効果があります。
フルボ酸のサプリメントを飲んでいる人からは、目覚めが良くなった、体が軽いという声が寄せられますが、その理由について探ってみたいと思います。
睡眠は脳内から分泌されるホルモンをはじめとする睡眠物質と深い関わりがありますが、その代表とも言えるのが「メラトニン」で、このホルモンが脳内に溜まると体温が下がり、体を睡眠に適した環境に近づけます。メラトニンは必須アミノ酸である「トリプトファン」が脳内に運ばれることで作られる、「セロトニン」というホルモンが基になっていて、このセロトニンを作るのに必要となるのが「ビタミンB6」、「ナイアシン」、「マグネシウム」です。
これらが欠けてしまうと、セロトニンの分泌にも影響を及ぼし、睡眠の状態も左右されることとなります。
また、血中のカルシウム濃度と睡眠にも深い関係があり、カルシウムの量が低いと交感神経が刺激されて覚醒しやすくなる傾向があり、目が覚めやすく深い眠りの妨げともなります。
ところが、カルシウムは単体では吸収率が低く、不足しがちな栄養素の一つなのです。
フルボ酸のサプリメントを飲むと目覚めがスッキリなのは、フルボ酸が、睡眠に必要なマグネシウムやカルシウムをキレートして、しっかりと体に吸収されたことによる結果かも知れませんね。
肌がしっとり綺麗になって小ジワが減るという意見
同じ年齢なのに自分の方がずっと老けて見えた、そんな経験はありませんか。
皮膚は体の最も外側にあるため、シワっぽかったり、くすんで見えたり、たるんでいたりと、見た目の年齢は肌の状態によって大きく左右されがちです。
実は、ショッキングなことに、肌の老化は25歳くらいから始まると言われています。
フルボ酸のサプリメントで肌がしっとりした、綺麗になった、小ジワが目立たなくなったという声を聞きます。そこで、その理由について考えてみましょう。
皮膚(肌)は外側から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3層から成っています。この中でも真皮に存在し、皮膚の骨組みとなる「細胞外マトリックス(MCE)」はコラーゲン、エラスチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸によって構成され、肌の弾力やハリ、潤いに関与しています。
真皮には微細な血管(毛細血管)が張り巡らされ、細胞に栄養を供給しているのですが、加齢や紫外線による光老化によって血管が減少して血流量が減り、これが肌を老化させる原因の1つともされています。
インドのアーユルヴェーダでも使用される、フルボ酸やフミン酸が高濃度に含まれた「シラジット」を使った試験によると、飲用することで真皮層の血流が改善されたことに加え、加齢によって衰える細胞外マトリックスをアップレギュレート(活性が増加)させたとしています。
フルボ酸のサプリメントによる実感は、こうした効果により肌の状態が改善したからなのではないかと考えられます。
また、フルボ酸やフミン酸には優れた抗酸化作用があり、紫外線や外部からの刺激等による酸化ストレスから肌を守る働きがあります。
なお、便秘などで腸内環境が乱れると、腸内細菌によって肌荒れを引き起す物質が発生します。
こうした物質が血流に乗って肌に蓄積し、肌に悪い影響を与えますが、フルボ酸やフミン酸は腸内フローラ(細菌叢)の状態を良好な状態に保つ効果があります。
フルボ酸のサプリメントはこれらの作用により、小ジワが減り、しっとり綺麗な肌へと導くことが出来たのではないでしょうか。
便秘の悩みが解消するという意見
便秘の悩みはなかなかオープンにできないものです。
若い女性に多い悩みと思われがちですが、内臓機能や筋肉が衰えてくる高齢者にも多く見られるほか、ホルモン分泌のバランスが大きく乱れる更年期の女性にとっても深刻な問題です。
第2の脳とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持つ腸には体の免疫機能の約70%が集まり、便は食事や生活習慣、ストレスなどからくる健康状態を反映する鏡なのです。
健康な腸は多様性があり、善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)、悪玉菌(ウェルシュ菌、病原性の大腸菌など)、日和見菌(環境により左右される菌)が2:1:7の割合で存在し、良好な細菌叢(腸内フローラ)を形成しています。
善玉菌は糖を分解して「酢酸」や「乳酸」といった有機酸を作り、腸内のpHを酸性に傾けて、悪玉菌の増殖を防いだり、腸の蠕動運動を促したりして便を排泄させるように働きます。
これに対し悪玉菌が優勢になった腸では、悪玉菌が産生する代謝物によってアルカリ性に傾き、善玉菌の棲みにくい環境へと変化し、便秘や肌荒れを引き起すのです。
便秘の悩みを抱える方たちの腸内細菌は、代謝によって産生される短鎖脂肪酸が少ないという特徴があり、その結果、腸の蠕動運動が弱まって便秘につながっているのではないかと指摘されています。
フルボ酸のサプリメントによって「便秘が解消した!」という声を聞きますが、どんな効果によるものなのでしょうか。
よく、便秘には乳酸菌やビフィズス菌、いわゆる善玉菌が良いと言われています。
しかし、強い酸性を示す胃の中を通過する際、一部の菌を除いてほとんどが死んで分解されてしまい、生きたまま腸に届き、善玉菌として本来の機能を果たすことはなく、善玉菌のエサとなって、こうした菌を助けるような働きをします。
これに対し、最終分解物であるフルボ酸やフミン酸は分解されることなく腸まで届き、有機酸として酢酸や乳酸と同じように、直接腸へアプローチすることが出来るのです。
またフルボ酸やフミン酸は優れたpH緩衝作用があるため、悪玉菌によってアルカリ性に傾いた腸内を至適なpH(弱酸性)保つことで善玉菌を優勢にするとともに、腸の蠕動運動を促して便秘が解消されたのではないかと思われます。
なお、腸内細菌はアレルギーや肥満、糖尿病、リウマチをはじめ、さまざまな疾病との関連性が指摘され、細菌叢の多様性や濃度の低下が見られることがわかっています。
フミン酸を摂取すると、腸内細菌の多様性に変化を与えることなく、その濃度をアップ効果があり、多くの疾病を予防するのではないかという期待も膨らんでいます。
疲れにくくなったという意見
特に激しい運動をしたわけでもないのに、ぐったりと疲れている。
朝起きても昨日の疲れを引きずっているようで辛い。
こうした状況で苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。
疲労には大きく分けて肉体的、精神的、神経的の3つがあり、それぞれが密接に関連しあっています。
疲労は、だるさだけにとどまらず、肩や首のこり、イライラ、過食、食欲不振など、さまざまなサインを発して体調に変化をもたらすため、厄介です。
なぜ疲労が起こるのか。その理由の1つに「ミトコンドリア」の機能低下があります。
ミトコンドリアとは細胞内にある小器官で、生命活動に必要な全てのエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)という形で作り出しています。
私たちはATPがなければ体を動かすことはもちろん、心臓を動かしたり内臓を働かせたり、息をしたり、見たり聞いたりなど、あらゆる活動が成り立たず、生命を維持することさえ出来ないのです。
ミトコンドリアは呼吸で取り込んだ酸素のほぼ全てを使ってエネルギー(ATP)を生み出していますが、この際、活性酸素も発生させます。
実はこの活性酸素は、ミトコンドリア自身をも傷付けて機能を低下させるため、ATPを作る能力が低下します。
ATPの量が少なくなれば必然的に細胞の働きは弱まり、これが疲労へとつながっていきます。
特にオーバーワークや過度のストレス状態が続いたりすると、活性酸素が多く発生し、より疲れを感じやすくなるのです。
また、ミトコンドリアの機能は加齢によっても低下しますので、若い頃とは明らかに違うと感じる人が多いのも納得できます。
フルボ酸のサプリメントを飲んだら疲れにくくなった、という意見がありますので、この真相について考えてみたいと思います。
原因のわからない疲労が回復せずに長い間続く状態の「慢性疲労症候群」では、ミトコンドリアの機能障害との関連性が明らかになっています。
インドの伝統医学で古くから使われている「シラジット」は、ヒマラヤ山脈から採れるフルボ酸とフミン酸が高濃度に含まれた天然の滲出物ですが、このシラジットを用いた試験に関する結果をご紹介します。
長期間の強制的な運動によるストレスで慢性疲労症候群に陥ったラットにシラジットを与えたところ、減少したミトコンドリアの呼吸を正常化させてミトコンドリアの機能を改善するとともに、ATPの合成を行う酵素の活性を促進することでATPの合成を増やし、必要なエネルギーを与える効果が見られました。
この結果、シラジットは慢性疲労症候群によって起こる身体的な影響を軽減する可能性があることがわかりました。
また別の試験でも、フルボ酸とフミン酸がミトコンドリアの呼吸を大幅に増加させ、ATPを産生するプロセスを効率よくする働きがあることがわかっています。
フルボ酸のサプリメントを飲んで疲れにくくなるのは、フルボ酸やフミン酸によってミトコンドリアの働きが正常化し、エネルギーの素であるATPの産生が高まったことによるものではないかと考えられます。
おすすめのフルボ酸サプリメント5選
フルボ酸のサプリメントはどれを選んでいいのかわからない。
ここでは、そんな方におすすめのサプリメントをご紹介したいと思います。
でも、その前に。
まず、フルボ酸やフミン酸の由来について簡単に説明しておきます。
フルボ酸やフミン酸の原料として使われるのは主に「亜炭」、「泥炭」、「樹木」の3つがあります。
このうち、太古の植物が鉱物化した亜炭、湿地帯のヨシや水ゴケが堆積して炭化した泥炭はその物性上、塩酸や硫酸といった強い酸性の化学物質を使用してフミン酸を沈殿させて分離した後に、水酸化ナトリウムなどの強いアルカリ性の化学物質で中和してフルボ酸の水溶液を作ります。
この際、化学反応によって性質に変化が生じる可能性があること、また、その土地由来の有害な重金属や放射性物質が混在する危険性など、少なからずデメリットが生じる場合がありますので、安全性について確認してみることが大切です。
これに対し、樹木(間伐材)のチップを完熟発酵させ、化学物質を使用せずに水だけでフミン酸とフルボ酸を水溶化させたのが樹木由来です。
こちらは化学変化を生じることも、有害な物質が混在することもありません。
こうしたことを踏まえ、自信を持ってご紹介したいサプリメントがこちらです。
NOB H&F(ビーシープロダクツ株式会社)
国産のスギ・ヒノキを原料として抽出したケミカルフリーなフミン酸&フルボ酸水溶液。
一般的に使用される化学処理されたフルボ酸ではなく、水だけで抽出されたものを使用しているため、重金属など有害な物質が含まれず、安全性にも配慮しています。飲用だけではなく、飲料や食品に添加したり、スプレーで肌に塗布したりすることで健康や美容にさまざまな可能性をもたらすドリンクです。
HUMINE(株式会社オーゾラ)
安全性に考慮し、森林保護のための間伐材を完熟発酵させた原料から化学物質を使用しないで抽出した、フミン酸・フルボ酸水溶液。
自然界の生態系を支える循環物であるフミン酸やフルボ酸が、体内に本来持つべき自然のサイクルをもたらします。
ドリンクタイプなので、そのまま飲んでも、付属のスプレーボトルを利用して全身にスプレーしても。
また、料理にスプレーすると旨味がアップするなど、さまざまな用途での利用が可能です。
ION Gut Support
古代の化石層から抽出した土壌由来の成分を含有したドリンク。
現代では、食品などから摂取した有害な物質や、環境汚染によって発せられる化学物質などによって腸内環境が乱れ、体にさまざまな不調を引き起してしまうケースが多くなっています。
この商品は腸内細菌の多様性に着目し、腸から健康を考えるサプリメントです。
※こちらの商品は輸入品ですが、分析により有害な重金属が一切含まれていないことを確認しております。
CELL・LUプレシャスローズEXビューティゼリー(一般財団法人 予防医療美容協会)
原料は100%オーガニックの針葉樹を4年間かけて発酵させたもの。
ここから、これまで不可能だったフミン酸とフルボ酸を同時に抽出させたエキスに、大変希少なダマスクローズウォーターを贅沢に配合しています。
高貴な香りと、女性の心身を輝かせる特別な力で愛されるバラの風味が、健康だけではなく美しさにも磨きをかけるゼリータイプのサプリメントです。
Leaf Source HUMIC-FULVIC ACID COMPLEX
太古の化石化した熱帯雨林植物から作られた、オーガニック100%のサプリメント。
フミン酸・フルボ酸に加え、必須アミノ酸を含む17種のアミノ酸、ビタミン、66種類のミネラル、酵素を含有しています。
加齢に伴うダメージをケアして健康を促進させたい方におすすめのサプリメントです。
※こちらの商品は輸入品ですが、分析により有害な重金属が一切含まれていないことを確認しております。
まとめ
フルボ酸やフミン酸は、健康や美容に関するさまざまな効果が発表されています。
こうしたエビデンスをもとに、フルボ酸のサプリメントの効果を検証してきました。
仕事や家事が忙しく、疲れに加えストレスを抱えている方、年齢を重ねることでこれまでとは違う変化にとまどっている方、健康に自信が持てなくなって不安という方など、フルボ酸やフミン酸のサプリメントを試してみてはいかがでしょうか。
ただし、選ぶ時は安全性を考え、原料の由来や抽出・精製方法、含有する成分のチェックもお忘れなく。
なお、ミネラルをはじめとする栄養素は、たくさん摂取すれば良いというものではありません。
体が本当に必要とするものを、必要とする分だけ摂取するには、ミネラルをキレート(掴む力)する力のあるフルボ酸やフミン酸だけではなく、バランスの良い食事も心がけるようにしましょう。